C型肝炎患者さんの声

治療を受けられた患者さんへの
インタビュー

C型肝炎治療は進歩し、治癒を目ざして肝炎治療に踏み出すかたが増えています。
こちらでご紹介するのは、飲み薬のみの治療でC型肝炎の治癒を達成することができた患者さんの「声」です。ぜひこちらのコンテンツをご覧いただき、C型肝炎治療に踏み出すための参考になさってください。

※すべての患者さんが治癒を達成できるとは限りません。

Dさん 70歳代 男性

C型肝炎であることを実感するにつれ、
精神的にもつらい日々が

35歳のころ膿胸の手術を受けた際、3本輸血をしたそうです。今思えば、それが感染源だったのだと思います。1997年、友人の医師を通じてC型肝炎ウイルスに感染しているとの検査結果を聞きました。初めはまったく気にしていませんでした。自覚症状もありませんでしたし、友人の医師は定期的なエコー検査による経過観察で様子を見ようと言ってくれていましたので、自分が病気であるという意識はほとんどなかったです。
ただ、それから数年が経ち、肝臓の数値が上がってきたということで、専門の病院を紹介されました。そこで定期的な経過観察を受けながらも、徐々に肝機能検査の数値は悪化していきました。自分でも次第に病気への関心が高まり、いろいろと調べていくうちに、がんにかかる可能性もある深刻な病気であることを理解し、次第に気分も滅入っていきました。

治療の失敗で一度はどん底に、しかし新たな治療が転機に

そのような中で2008年に注射による治療を開始することを決心しました。どうにか週1回の注射を1年ほど続け、一旦はウイルスが陰性となりました。しかし、その喜びもつかの間、1ヵ月後にはまたウイルスは陽性となりました。このときは本当につらかったです。
主治医の先生のつらそうな表情を見て、私も泣きそうな気持ちを抑えるのに精一杯でした。それからしばらくはどん底の日々でした。常にイライラして周囲に当たりちらし、長年付き合ってきた大切な友人を失ってしまったこともありました。
しかし、2015年にC型肝炎の新しい飲み薬が発売されたことを先生から聞いたことが転機となりました。はじめは飲み薬だけで治癒を目指せるとは、にわかには信じられず、すぐに踏み切ることができませんでした。しかし、このままではいつか肝がんになってしまうかもしれないとの不安が常に頭にあり、悩みに悩んだのち、半年後に飲み薬での治療を受ける決心がつきました。

飲み忘れて後悔だけはしたくないと心に誓い・・・

飲み薬での治療は順調に進み、治療中にウイルスは陰性になりました。以前の治療で失敗した経験が頭をよぎり、素直にその結果を受け入れられませんでした。それでも先生からは「大丈夫です。私を信じて飲み続けてください」と強く言われました。自信に満ちた先生の表情から、先生を信じて飲み忘れずに薬を飲み切ろう! と心に決めました。薬入れケースを活用したり、朝ご飯をしっかり食べてから服用したりといった規則的な生活を送ることで飲み忘れがないよう、そして飲み忘れて後悔しないよう努めました。
薬を飲み終えて3ヵ月後、ウイルスは依然陰性という結果を見た瞬間、本当に解放されたことを実感しました。この治療を強く勧めてくださった先生に、心の底から感謝の気持ちがこみ上げてきたのを今でも忘れることはできません。

治癒して身体も心も軽く、家族への愛情も深まり・・・

現在、背負っていた病気から解放され、晴れ晴れした気分です。気持ちが軽くなると、身体も軽く思えてくるものです。外出する機会が増え、お洒落をするようになりました。運動にも積極的になり、毎日エアロバイクを漕ぎ、健康管理に気をつける毎日です。以前は飲酒量を減らせず、先生からは再三注意されていましたが、治癒を達成してからは健康的な食生活を心がけるようになり、自然とお酒も控えるようになりました。本当に毎日の食事が美味しくなりました。
心も身体も健康になると同時に、家族に対する愛情もより深まったことを実感しています。もう以前のようにイライラすることはなくなりました。病気療養中は自分のことで精一杯でしたが、関節リウマチを長年わずらう妻に対して思いやりをもって接することができるようになりました。今は手指の動作に負担を感じる妻のため、毎日料理を作るのが楽しみの一つです。そして何よりの楽しみは、最近懸賞で当選した景品のミラーレス一眼レフカメラで、孫の写真を撮ることです。

たとえ「もう歳だから」と思っても、あきらめずに治療に踏み出して

80歳の私の叔母もC型肝炎で、高齢であることから治療はあきらめていたそうです。しかし、治癒してハツラツとした私の姿をみて、飲み薬による治療に踏み切りました。彼女も無事ウイルスを排除でき、ものすごく嬉しそうでした。「あなたのお陰だ」と会うたびに感謝され、私もとても嬉しくなります。今、もう歳だからというだけで治療をあきらめている方がいるなら、叔母と同じように思い切って治療に踏み出してほしいです。希望と勇気を持って治療に臨んでください。