C型肝炎患者さんの声

治療を受けられた患者さんへの
インタビュー

C型肝炎治療は進歩し、治癒を目ざして肝炎治療に踏み出すかたが増えています。
こちらでご紹介するのは、飲み薬のみの治療でC型肝炎の治癒を達成することができた患者さんの「声」です。ぜひこちらのコンテンツをご覧いただき、C型肝炎治療に踏み出すための参考になさってください。

※すべての患者さんが治癒を達成できるとは限りません。

Cさん 70歳代 女性

約20年前にC型肝炎ウイルスへの
感染を知り、
感じたのは絶望感

C型肝炎ウイルスに感染しているのを知ったのは、20年ほど前です。たまたま献血したところ、感染しているという通知が来ました。すぐに図書館でC型肝炎について調べたところ、肝臓がんになるおそれがあることを知り、ものすごくショックを受けました。また、がんにはかからなかったとしても、治らない場合もあると聞き、絶望的な気持ちになりました。
それでも気を奮い立たせ、とにかく、肝臓に良いと本に書かれていたことはすべて実行しました。例えば、食事のあと必ず横になる、太極拳で体を動かす、ニンジンとトマトのジュースを毎朝飲むなどです

※効果を検証するために臨床試験を実施して承認された治療法ではありません。

治療に踏み出さぬまま過ぎた16年間

C型肝炎ウイルスへの感染を知らせる通知には、精密検査を受けるようにと書いてあったので、大学病院を受診しました。検査の結果、血液中にC型肝炎ウイルスの存在は確認されましたが、すぐに治療が必要な状態ではないと言われ、3ヵ月に1度、大学病院で血液検査と腹部超音波検査をしながら様子をみることになりました。そこから16年間にわたる長い経過観察の日々が始まりました。
その間、大学病院で注射による抗ウイルス治療を勧められたこともありましたが、身体への負担に関する不安のため治療は断り続けてきました。夫に相談したこともあったのですが、治療しなくても大丈夫と思っていたようです。子どもに話したときもそれほど深刻に受け止めてはいませんでした。私自身、肝臓の値も正常の範囲内でしたので、急いで治療を受ける必要性を感じていなかった、あるいは治療の必要性を感じたくなかったというのが本音かもしれません。なるべく病気のことを考えないようにと、前向きに仕事をしたり、いろいろなことに取り組んだりしました。それでも、悪くなったらどうしようという不安は常に頭をよぎっていました。

主治医の先生からの強い勧めが人生の転機に

そんな鬱屈とした経過観察の長い日々に転機が訪れました。大学病院の主治医の先生から、「新しい飲み薬の治験が始まります。あなたは絶対に受けるべきだ! 」と強く勧められたのです。新しい治療法ということで情報が少ない点などに不安はあったのですが、せっかくの先生の勧めなので、思い切って受けることにしました。
治験が終わった時点で、ウイルスが消えていると言われ、子どものように「バンザーイ」と飛び上がって喜びました。これは一生忘れられない瞬間です。そして何より感謝するのは主治医の先生。私の人生、最大の恩人です。
夫も子どもたちも、治ったことを喜んでくれました。口には出さないけれど心配していたのですね。

治癒を達成して、みなぎる自信とともに大きく変わった人生

治癒して何にでも挑戦できる! という意欲が湧きました。今でも半年に1度は大学病院で検査を受けていますが、元気にいろいろなことに取り組んでいます。山登りが好きで、尾瀬や八ヶ岳に行くようになりました。夫も山が好きなので一緒に行っています。そのほか、古文書の読み解きも学んでいます。また最近では、老人ホームで歌を歌うボランティアも始めました。ウイルスが身体の中にいなくなったことで、すべてのことに前向きに取り組めるようになりました。今は少しくらい無理しても大丈夫! という自信にみなぎっています。

ぜひ治療をおそれずに前向きにとらえてみて!

以前の治療のときの経験から、飲み薬の治療もためらってしまう方もいるのではないでしょうか。治療に踏み出せない人には、「私の経験を参考に、治療について考えてみて」と言ってあげたいです。以前より治療期間も短くなっているようです。色んなことが心配になってしまって治療に踏み出せない方も多いと思いますが、ぜひおそれずに治療を前向きにとらえてみてください!