C型肝炎患者さんの声

治療を受けられた患者さんへの
インタビュー

C型肝炎治療は進歩し、治癒を目ざして肝炎治療に踏み出すかたが増えています。
こちらでご紹介するのは、飲み薬のみの治療でC型肝炎の治癒を達成することができた患者さんの「声」です。ぜひこちらのコンテンツをご覧いただき、C型肝炎治療に踏み出すための参考になさってください。

※すべての患者さんが治癒を達成できるとは限りません。

Bさん 60歳代 男性

肝炎ウイルスの感染を知った当初は、
さほど実感も湧かず・・・

肝炎ウイルスに感染しているのを知ったのは、38歳の時です。そのころはまだ、非A非B肝炎と呼ばれていた時代だったと思います。定期健診で肝機能異常が見つかり、心配した上司の勧めで精密検査を受けたところ、今で言うC型肝炎ウイルスに感染していることが分かったのです。当時あまりなじみのある病気ではありませんでしたから、さほど実感も湧かず、酒の飲みすぎかな、くらいに思っていました。そのころはGOT(AST)、GPT(ALT)※ともに、それほど高い数値ではなかったので、経過観察ということで3ヵ月おきに検査を受けて過ごしていました。妻にも感染のことを伝えましたが、「なすすべがないなら、今はどうしようもないね」という反応でした。

※GOT(AST)、GPT(ALT):現在の肝臓の炎症の程度をみるための検査項目です。

藁にもすがる思いで参加した注射薬の治験。 しかし・・・

ところが2000年代に入るころ、肝機能の数値が悪くなり始めました。先生からウイルスが活動を始めたと聞き、今後の生活や仕事はどうなるのかといった不安が募り、とても安穏としていられる状況ではなくなりました。そのような中、先生の勧めで折しも治験の募集をしていた注射薬の治療を受けることにしました。しかし、治療の成功には至らず、以後様子をみるしかないという状況でした。
当時は、本当に藁にもすがる思いで治療を受けたのですが、結果が芳しくなかったことから、落胆はとても大きく一時は精神的なケアも必要なほどに落ち込む毎日でした。

心待ちにしていた治療は、私にとっては「想定通り」、でも家族の喜びはひとしお

月日を経て、次第に精神的負担も和らぐと、少しずつ気持ちは前向きになりました。と同時にC型肝炎に関連する書籍やインターネットなどから手あたり次第に情報を集めるようになりました。そのネット情報からC型肝炎に対する新しい飲み薬が出ることを知ると、その実用化を心待ちにするようになりました。そして、その発売を機に再度治療に踏み切ったのです。
新しい飲み薬では、かなりの割合で治癒を目指せると聞いていましたので、ウイルスが検出されなくなった時の気持ちは、「想定通り消えたな」というもので、ホッとしたのは確かですが、それ以上の感激はありませんでした。ただ、それまでは肝硬変になるのではないかといつも不安でしたが、その不安が消えた解放感はありました。
ところが、私の家族の喜びはひとしおでした。「ウイルスが消えたよ」と妻と子どもたちに伝えたところ、涙ながらに喜んでくれました。それを見たとき、心配をかけていたんだな、治療が成功するってこういうことなんだなという新たな感慨がこみ上げてきたのを覚えています。

今は趣味三昧の毎日

学生時代からバンドを組んでいて、退職後の今でも毎日ギターやベースを弾いています。治療後はバンドでの活動をはじめ、オーディオや音楽関連の小物作りなどの工作を心から楽しめるようになり、趣味三昧の毎日を送っています。好きなお酒も美味しく飲めるようになりました。このような毎日を迎えることができ、主治医としてお世話になった先生方や家族、そして支えてくれた皆さんに感謝しています。

怖がらずに治療と向き合って!

治療法への不安から、治療に踏み切れない方もいらっしゃると思います。私の場合は、日常の生活を続けながら治療を終えることができました。また、以前に比べて治癒率も向上していると聞き、私は事前に得ていた情報から期待を持って飲み薬の治療に臨みました。
C型肝炎ウイルスに感染していると、肝硬変や肝がんになる危険性も高まるそうです。ぜひ皆さんも怖がらずに治療と向き合って、一歩踏み出すことをお勧めします。